第1篇

1:1 幸いなことよ。悪者のはかりごとに歩まず、罪人の道に立たず、あざける者の座に着かなかった、その人。
1:2 まことに、その人は主のおしえを喜びとし、昼も夜もそのおしえを口ずさむ。
1:3 その人は、水路のそばに植わった木のようだ。時が来ると実がなり、その葉は枯れない。その人は、何をしても栄える。
1:4 悪者は、それとは違い、まさしく、風が吹き飛ばすもみがらのようだ。
1:5 それゆえ、悪者は、さばきの中に立ちおおせず、罪人は、正しい者のつどいに立てない。
1:6 まことに、主は、正しい者の道を知っておられる。しかし、悪者の道は滅びうせる。

第2篇

2:1 なぜ国々は騒ぎ立ち、国民はむなしくつぶやくのか。
2:2 地の王たちは立ち構え、治める者たちは相ともに集まり、主と、主に油をそそがれた者とに逆らう。
2:3 「さあ、彼らのかせを打ち砕き、彼らの綱を、解き捨てよう。」
2:4 天の御座に着いておられる方は笑う。主はその者どもをあざけられる。
2:5 ここに主は、怒りをもって彼らに告げ、燃える怒りで彼らを恐れおののかせる。
2:6 「しかし、わたしは、わたしの王を立てた。わたしの聖なる山、シオンに。」
2:7 「わたしは主の定めについて語ろう。主はわたしに言われた。『あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ。
2:8 わたしに求めよ。わたしは国々をあなたへのゆずりとして与え、地をその果て果てまで、あなたの所有として与える。
2:9 あなたは鉄の杖で彼らを打ち砕き、焼き物の器のように粉々にする。』」
2:10 それゆえ、今、王たちよ、悟れ。地のさばきづかさたちよ、慎め。
2:11 恐れつつ主に仕えよ。おののきつつ喜べ。
2:12 御子に口づけせよ。主が怒り、おまえたちが道で滅びないために。怒りは、いまにも燃えようとしている。幸いなことよ。すべて主に身を避ける人は。

第3篇

ダビデがその子アブシャロムからのがれたときの賛歌
3:1 主よ。なんと私の敵がふえてきたことでしょう。私に立ち向かう者が多くいます。
3:2 多くの者が私のたましいのことを言っています。「彼に神の救いはない。」と。セラ
3:3 しかし、主よ。あなたは私の回りを囲む盾、私の栄光、そして私のかしらを高く上げてくださる方です。
3:4 私は声をあげて、主に呼ばわる。すると、聖なる山から私に答えてくださる。セラ
3:5 私は身を横たえて、眠る。私はまた目をさます。主がささえてくださるから。
3:6 私を取り囲んでいる幾万の民をも私は恐れない。
3:7 主よ。立ち上がってください。私の神。私をお救いください。あなたは私のすべての敵の頬を打ち、悪者の歯を打ち砕いてくださいます。
3:8 救いは主にあります。あなたの祝福があなたの民の上にありますように。セラ

第4篇

指揮者のために。弦楽器に合わせて。ダビデの賛歌
4:1 私が呼ぶとき、答えてください。私の義なる神。あなたは、私の苦しみのときにゆとりを与えてくださいました。私をあわれみ、私の祈りを聞いてください。
4:2 人の子たちよ。いつまでわたしの栄光をはずかしめ、むなしいものを愛し、まやかしものを慕い求めるのか。セラ
4:3 知れ。主は、ご自分の聖徒を特別に扱われるのだ。私が呼ぶとき、主は聞いてくださる。
4:4 恐れおののけ。そして罪を犯すな。床の上で自分の心に語り、静まれ。セラ
4:5 義のいけにえをささげ、主に拠り頼め。
4:6 多くの者は言っています。「だれかわれわれに良い目を見せてくれないものか。」主よ。どうか、あなたの御顔の光を、私たちの上に照らしてください。
4:7 あなたは私の心に喜びを下さいました。それは穀物と新しいぶどう酒が豊かにあるときにもまさっています。
4:8 平安のうちに私は身を横たえ、すぐ、眠りにつきます。主よ。あなただけが、私を安らかに住まわせてくださいます。

第5篇

指揮者のために。フルートに合わせて。ダビデの賛歌
5:1 私の言うことを耳に入れてください。主よ。私のうめきを聞き取ってください。
5:2 私の叫びの声を心に留めてください。私の王、私の神。私はあなたに祈っています。
5:3 主よ。朝明けに、私の声を聞いてください。朝明けに、私はあなたのために備えをし、見張りをいたします。
5:4 あなたは悪を喜ぶ神ではなく、わざわいは、あなたとともに住まないからです。
5:5 誇り高ぶる者たちは御目の前に立つことはできません。あなたは不法を行なうすべての者を憎まれます。
5:6 あなたは偽りを言う者どもを滅ぼされます。主は血を流す者と欺く者とを忌みきらわれます。
5:7 しかし、私は、豊かな恵みによって、あなたの家に行き、あなたを恐れつつ、あなたの聖なる宮に向かってひれ伏します。
5:8 主よ。私を待ち伏せている者がおりますから、あなたの義によって私を導いてください。私の前に、あなたの道をまっすぐにしてください。
5:9 彼らの口には真実がなく、その心には破滅があるのです。彼らののどは、開いた墓で、彼らはその舌でへつらいを言うのです。
5:10 神よ。彼らを罪に定めてください。彼らがおのれのはかりごとで倒れますように。彼らのはなはだしいそむきのゆえに彼らを追い散らしてください。彼らはあなたに逆らうからです。
5:11 こうして、あなたに身を避ける者がみな喜び、とこしえまでも喜び歌いますように。あなたが彼らをかばってくださり、御名を愛する者たちがあなたを誇りますように。
5:12 主よ。まことに、あなたは正しい者を祝福し、大盾で囲むように愛で彼を囲まれます。

第6篇

指揮者のために。八弦の立琴に合わせて。ダビデの賛歌
6:1 主よ。御怒りで私を責めないでください。激しい憤りで私を懲らしめないでください。
6:2 主よ。私をあわれんでください。私は衰えております。主よ。私をいやしてください。私の骨は恐れおののいています。
6:3 私のたましいはただ、恐れおののいています。主よ。いつまでですか。あなたは。
6:4 帰って来てください。主よ。私のたましいを助け出してください。あなたの恵みのゆえに、私をお救いください。
6:5 死にあっては、あなたを覚えることはありません。よみにあっては、だれが、あなたをほめたたえるでしょう。
6:6 私は私の嘆きで疲れ果て、私の涙で、夜ごとに私の寝床を漂わせ、私のふしどを押し流します。
6:7 私の目は、いらだちで衰え、私のすべての敵のために弱まりました。
6:8 不法を行なう者ども。みな私から離れて行け。主は私の泣く声を聞かれたのだ。
6:9 主は私の切なる願いを聞かれた。主は私の祈りを受け入れられる。
6:10 私の敵は、みな恥を見、ただ、恐れおののきますように。彼らは退き、恥を見ますように。またたくまに。

第7篇

ベニヤミン人クシュのことについてダビデが主に歌ったシガヨンの歌
7:1 私の神、主よ。私はあなたのもとに身を避けました。どうか、追い迫るすべての者から私を救ってください。私を救い出してください。
7:2 救い出す者がいない間に彼らが獅子のように、私のたましいを引き裂き、さらって行くことがないように。
7:3 私の神、主よ。もし私がこのことをしたのなら、もし私の手に不正があるのなら、
7:4 もし私が親しい友に悪い仕打ちをしたのなら、また、私に敵対する者から、ゆえなく奪ったのなら、
7:5 敵に私を追わせ、追いつかせ、私のいのちを地に踏みにじらせてください。私のたましいをちりの中にとどまらせてください。セラ
7:6 主よ。御怒りをもって立ち上がってください。私の敵の激しい怒りに向かって立ち、私のために目をさましてください。あなたはさばきを定められました。
7:7 国民のつどいをあなたの回りに集め、その上の高いみくらにお帰りください。
7:8 主は諸国の民をさばかれる。主よ。私の義と、私にある誠実とにしたがって、私を弁護してください。
7:9 どうか、悪者の悪があとを絶ち、あなたが正しい者を堅く立てられますように。正しい神は、心と思いを調べられます。
7:10 私の盾は神にあり、神は心の直ぐな人を救われる。
7:11 神は正しい審判者、日々、怒る神。
7:12 悔い改めない者には剣をとぎ、弓を張って、ねらいを定め、
7:13 その者に向かって、死の武器を構え、矢を燃える矢とされる。
7:14 見よ。彼は悪意を宿し、害毒をはらみ、偽りを生む。
7:15 彼は穴を掘って、それを深くし、おのれの作った穴に落ち込む。
7:16 その害毒は、おのれのかしらに戻り、その暴虐は、おのれの脳天に下る。
7:17 その義にふさわしく、主を、私はほめたたえよう。いと高き方、主の御名をほめ歌おう。

第8篇

指揮者のために。ギテトの調べに合わせて。ダビデの賛歌
8:1 私たちの主、主よ。あなたの御名は全地にわたり、なんと力強いことでしょう。あなたはご威光を天に置かれました。
8:2 あなたは幼子と乳飲み子たちの口によって、力を打ち建てられました。それは、あなたに敵対する者のため、敵と復讐する者とをしずめるためでした。
8:3 あなたの指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見ますのに、
8:4 人とは、何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子とは、何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。
8:5 あなたは、人を、神よりいくらか劣るものとし、これに栄光と誉れの冠をかぶらせました。
8:6 あなたの御手の多くのわざを人に治めさせ、万物を彼の足の下に置かれました。
8:7 すべて、羊も牛も、また、野の獣も、
8:8 空の鳥、海の魚、海路を通うものも。
8:9 私たちの主、主よ。あなたの御名は全地にわたり、なんと力強いことでしょう。

第9篇

指揮者のために。「ムテ・ラベン」の調べに合わせて。ダビデの賛歌
9:1 私は心を尽くして主に感謝します。あなたの奇しいわざを余すことなく語り告げます。
9:2 私は、あなたを喜び、誇ります。いと高き方よ。あなたの御名をほめ歌います。
9:3 私の敵は退くとき、つまずき、あなたの前で、ついえ去ります。
9:4 あなたが私の正しい訴えを支持し、義の審判者として王座に着かれるからです。
9:5 あなたは国々をお叱りになり、悪者を滅ぼし、彼らの名を、とこしえに、消し去られました。
9:6 敵は、絶え果てて永遠の廃墟。あなたが根こぎにされた町々、その記憶さえ、消えうせました。
9:7 しかし、主はとこしえに御座に着き、さばきのためにご自身の王座を堅く立てられた。
9:8 主は義によって世界をさばき、公正をもって国民にさばきを行なわれる。
9:9 主はしいたげられた者のとりで、苦しみのときのとりで。
9:10 御名を知る者はあなたに拠り頼みます。主よ。あなたはあなたを尋ね求める者をお見捨てになりませんでした。
9:11 主にほめ歌を歌え、シオンに住まうその方に。国々の民にみわざを告げ知らせよ。
9:12 血に報いる方は、彼らを心に留め、貧しい者の叫びをお忘れにならない。
9:13 主よ。私をあわれんでください。私を憎む者から来る私の悩みを見てください。主は死の門から私を引き上げてくださる。
9:14 私は、あなたのすべての誉れを語り告げるために、シオンの娘の門で、あなたの救いに歓声をあげましょう。
9:15 国々はおのれの作った穴に陥り、おのれの隠した網に、わが足をとられる。
9:16 主はご自身を知らせ、さばきを行なわれた。悪者はおのれの手で作ったわなにかかった。ヒガヨン セラ
9:17 悪者どもは、よみに帰って行く。神を忘れたあらゆる国々も。
9:18 貧しい者は決して忘れられない。悩む者の望みは、いつまでもなくならない。
9:19 主よ。立ち上がってください。人間が勝ち誇らないために。国々が御前で、さばかれるために。
9:20 主よ。彼らに恐れを起こさせてください。おのれが、ただ、人間にすぎないことを、国々に思い知らせてください。セラ

第10篇

10:1 主よ。なぜ、あなたは遠く離れてお立ちなのですか。苦しみのときに、なぜ、身を隠されるのですか。
10:2 悪者は高ぶって、悩む人に追い迫ります。彼らが、おのれの設けたたくらみにみずから捕えられますように。
10:3 悪者はおのれの心の欲望を誇り、貪欲な者は、主をのろい、また、侮る。
10:4 悪者は高慢を顔に表わして、神を尋ね求めない。その思いは「神はいない。」の一言に尽きる。
10:5 彼の道はいつも栄え、あなたのさばきは高くて、彼の目に、はいらない。敵という敵を、彼は吹き飛ばす。
10:6 彼は心の中で言う。「私はゆるぐことがなく、代々にわたって、わざわいに会わない。」
10:7 彼の口は、のろいと欺きとしいたげに満ち、彼の舌の裏には害毒と悪意がある。
10:8 彼は村はずれの待ち伏せ場にすわり、隠れた所で、罪のない人を殺す。彼の目は不幸な人をねらっている。
10:9 彼は茂みの中の獅子のように隠れ場で待ち伏せている。彼は悩む人を捕えようと待ち伏せる。悩む人を、その網にかけて捕えてしまう。
10:10 不幸な人は、強い者によって砕かれ、うずくまり、倒れる。
10:11 彼は心の中で言う。「神は忘れている。顔を隠している。彼は決して見はしないのだ。」
10:12 主よ。立ち上がってください。神よ。御手を上げてください。どうか、貧しい者を、忘れないでください。
10:13 なぜ、悪者は、神を侮るのでしょうか。彼は心の中で、あなたは追い求めないと言っています。
10:14 あなたは、見ておられました。害毒と苦痛を。彼らを御手の中に収めるためにじっと見つめておられました。不幸な人は、あなたに身をゆだねます。あなたはみなしごを助ける方でした。
10:15 悪者と、よこしまな者の腕を折り、その悪を捜し求めて一つも残らぬようにしてください。
10:16 主は世々限りなく王である。国々は、主の地から滅びうせた。
10:17 主よ。あなたは貧しい者の願いを聞いてくださいました。あなたは彼らの心を強くしてくださいます。耳を傾けて、
10:18 みなしごと、しいたげられた者をかばってくださいます。地から生まれた人間がもはや、脅かすことができないように。

第11篇

指揮者のために。ダビデによる
11:1 主に私は身を避ける。どうして、あなたたちは私のたましいに言うのか。「鳥のように、おまえたちの山に飛んで行け。
11:2 それ、見よ。悪者どもが弓を張り、弦に矢をつがえ、暗やみで心の直ぐな人を射ぬこうとしている。
11:3 拠り所がこわされたら正しい者に何ができようか。」
11:4 主は、その聖座が宮にあり、主は、その王座が天にある。その目は見通し、そのまぶたは、人の子らを調べる。
11:5 主は正しい者と悪者を調べる。そのみこころは、暴虐を好む者を憎む。
11:6 主は、悪者の上に網を張る。火と硫黄。燃える風が彼らの杯への分け前となろう。
11:7 主は正しく、正義を愛される。直ぐな人は、御顔を仰ぎ見る。

第12篇

指揮者のために。八弦の立琴に合わせて。ダビデの賛歌
12:1 主よ。お救いください。聖徒はあとを絶ち、誠実な人は人の子らの中から消え去りました。
12:2 人は互いにうそを話し、へつらいのくちびると、二心で話します。
12:3 主が、へつらいのくちびると傲慢の舌とを、ことごとく断ち切ってくださいますように。
12:4 彼らはこう言うのです。「われらはこの舌で勝つことができる。われらのくちびるはわれらのものだ。だれが、われらの支配者なのか。」
12:5 主は仰せられる。「悩む人が踏みにじられ、貧しい人が嘆くから、今、わたしは立ち上がる。わたしは彼を、その求める救いに入れよう。」
12:6 主のみことばは混じりけのないことば。土の炉で七回もためされて、純化された銀。
12:7 あなたが、主よ、彼らをお守りになります。あなたはこの時代からとこしえまでも彼らを保たれます。
12:8 人の子の間で、卑しいことがあがめられているときには、悪者が、至る所で横行します。

第13篇

指揮者のために。ダビデの賛歌
13:1 主よ。いつまでですか。あなたは私を永久にお忘れになるのですか。いつまで御顔を私からお隠しになるのですか。
13:2 いつまで私は自分のたましいのうちで思い計らなければならないのでしょう。私の心には、一日中、悲しみがあります。いつまで敵が私の上に、勝ちおごるのでしょう。
13:3 私に目を注ぎ、私に答えてください。私の神、主よ。私の目を輝かせてください。私が死の眠りにつかないように。
13:4 また私の敵が、「おれは彼に勝った。」と言わないように。私がよろめいた、と言って私の仇が喜ばないように。
13:5 私はあなたの恵みに拠り頼みました。私の心はあなたの救いを喜びます。
13:6 私は主に歌を歌います。主が私を豊かにあしらわれたゆえ。

第14篇

指揮者のために。ダビデによる
14:1 愚か者は心の中で、「神はいない。」と言っている。彼らは腐っており、忌まわしい事を行なっている。善を行なう者はいない。
14:2 主は天から人の子らを見おろして、神を尋ね求める、悟りのある者がいるかどうかをご覧になった。
14:3 彼らはみな、離れて行き、だれもかれも腐り果てている。善を行なう者はいない。ひとりもいない。
14:4 不法を行なう者らはだれも知らないのか。彼らはパンを食らうように、わたしの民を食らい、主を呼び求めようとはしない。
14:5 見よ。彼らが、いかに恐れたかを。神は、正しい者の一族とともにおられるからだ。
14:6 おまえたちは、悩む者のはかりごとをはずかしめようとするだろう。しかし、主が彼の避け所である。
14:7 ああ、イスラエルの救いがシオンから来るように。主が、とりこになった御民を返されるとき、ヤコブは楽しめ。イスラエルは喜べ。

第15篇

ダビデの賛歌
15:1 主よ。だれが、あなたの幕屋に宿るのでしょうか。だれが、あなたの聖なる山に住むのでしょうか。
15:2 正しく歩み、義を行ない、心の中の真実を語る人。
15:3 その人は、舌をもってそしらず、友人に悪を行なわず、隣人への非難を口にしない。
15:4 神に捨てられた人を、その目はさげすみ、主を恐れる者を尊ぶ。損になっても、立てた誓いは変えない。
15:5 金を貸しても利息を取らず、罪を犯さない人にそむいて、わいろを取らない。このように行なう人は、決してゆるがされない。

第16篇

ダビデのミクタム
16:1 神よ。私をお守りください。私は、あなたに身を避けます。
16:2 私は、主に申し上げました。「あなたこそ、私の主。私の幸いは、あなたのほかにはありません。」
16:3 地にある聖徒たちには威厳があり、私の喜びはすべて、彼らの中にあります。
16:4 ほかの神へ走った者の痛みは増し加わりましょう。私は、彼らの注ぐ血の酒を注がず、その名を口に唱えません。
16:5 主は、私へのゆずりの地所、また私への杯です。あなたは、私の受ける分を、堅く保っていてくださいます。
16:6 測り綱は、私の好む所に落ちた。まことに、私への、すばらしいゆずりの地だ。
16:7 私は助言を下さった主をほめたたえる。まことに、夜になると、私の心が私に教える。
16:8 私はいつも、私の前に主を置いた。主が私の右におられるので、私はゆるぐことがない。
16:9 それゆえ、私の心は喜び、私のたましいは楽しんでいる。私の身もまた安らかに住まおう。
16:10 まことに、あなたは、私のたましいをよみに捨ておかず、あなたの聖徒に墓の穴をお見せにはなりません。
16:11 あなたは私に、いのちの道を知らせてくださいます。あなたの御前には喜びが満ち、あなたの右には、楽しみがとこしえにあります。

第17篇

ダビデの祈り
17:1 主よ。聞いてください、正しい訴えを。耳に留めてください、私の叫びを。耳に入れてください、欺きのくちびるからでない私の祈りを。
17:2 私のためのさばきが御前から出て、公正に御目が注がれますように。
17:3 あなたは私の心を調べ、夜、私を問いただされました。あなたは私をためされましたが、何も見つけ出されません。私は、口のあやまちをしまいと心がけました。
17:4 人としての行ないについては、あなたのくちびるのことばによりました。私は無法な者の道を避けました。
17:5 私の歩みは、あなたの道を堅く守り、私の足はよろけませんでした。
17:6 神よ。私はあなたを呼び求めました。あなたは私に答えてくださるからです。耳を傾けて、私の申し上げることを聞いてください。
17:7 あなたの奇しい恵みをお示しください。立ち向かう者から身を避けて右の手に来る者を救う方。
17:8 私を、ひとみのように見守り、御翼の陰に私をかくまってください。
17:9 私を襲う悪者から。私を取り巻く貪欲な敵から。
17:10 彼らは、鈍い心を堅く閉ざし、その口をもって高慢に語ります。
17:11 彼らは、あとをつけて来て、今、私たちを取り囲みました。彼らは目をすえて、私たちを地に投げ倒そうとしています。
17:12 彼は、あたかも、引き裂こうとねらっている獅子、待ち伏せしている若い獅子のようです。
17:13 主よ。立ち上がってください。彼に立ち向かい、彼を打ちのめしてください。あなたの剣で、悪者から私のたましいを助け出してください。
17:14 主よ。人々から、あなたの御手で。相続分がこの世のいのちであるこの世の人々から。彼らの腹は、あなたの宝で満たされ、彼らは、子どもらに満ち足り、その豊かさを、その幼子らに残します。
17:15 しかし、私は、正しい訴えで、御顔を仰ぎ見、目ざめるとき、あなたの御姿に満ち足りるでしょう。

第18篇

指揮者のために。主のしもべダビデによる。主が、彼のすべての敵の手、特にサウルの手から彼を救い出された日に、この歌のことばを主に歌った
18:1 彼はこう言った。主、わが力。私は、あなたを慕います。
18:2 主はわが巌、わがとりで、わが救い主、身を避けるわが岩、わが神。わが盾、わが救いの角、わがやぐら。
18:3 ほめたたえられる方、この主を呼び求めると、私は、敵から救われる。
18:4 死の綱は私を取り巻き、滅びの川は、私を恐れさせた。
18:5 よみの綱は私を取り囲み、死のわなは私に立ち向かった。
18:6 私は苦しみの中に主を呼び求め、助けを求めてわが神に叫んだ。主はその宮で私の声を聞かれ、御前に助けを求めた私の叫びは、御耳に届いた。
18:7 すると、地はゆるぎ、動いた。また、山々の基も震え、揺れた。主がお怒りになったのだ。
18:8 煙は鼻から立ち上り、その口から出る火はむさぼり食い、炭火は主から燃え上がった。
18:9 主は、天を押し曲げて降りて来られた。暗やみをその足の下にして。
18:10 主は、ケルブに乗って飛び、風の翼に乗って飛びかけられた。
18:11 主はやみを隠れ家として、回りに置かれた。その仮庵は雨雲の暗やみ、濃い雲。
18:12 御前の輝きから、密雲を突き抜けて来たもの。それは雹と火の炭。
18:13 主は天に雷鳴を響かせ、いと高き方は御声を発せられた。雹、そして、火の炭。
18:14 主は、矢を放って彼らを散らし、すさまじいいなずまで彼らをかき乱された。
18:15 こうして、水の底が現われ、地の基があらわにされた。主よ。あなたのとがめ、あなたの鼻の荒いいぶきで。
18:16 主は、いと高き所から御手を伸べて私を捕え、私を大水から引き上げられた。
18:17 主は私の強い敵と、私を憎む者とから私を救い出された。彼らは私より強かったから。
18:18 彼らは私のわざわいの日に私に立ち向かった。だが、主は私のささえであった。
18:19 主は私を広い所に連れ出し、私を助け出された。主が私を喜びとされたから。
18:20 主は私の義にしたがって私に報い、私の手のきよさにしたがって私に償いをされた。
18:21 私は主の道を守り、私の神に対して悪を行なわなかった。
18:22 主のすべてのさばきは私の前にあり、主のおきてを私は遠ざけなかった。
18:23 私は主の前に全く、私の罪から身を守る。
18:24 主は、私の義にしたがって、また、御目の前の私の手のきよさにしたがって私に償いをされた。
18:25 あなたは、恵み深い者には、恵み深く、全き者には、全くあられ、
18:26 きよい者には、きよく、曲がった者には、ねじ曲げる方。
18:27 あなたは、悩む民をこそ救われますが、高ぶる目は低くされます。
18:28 あなたは私のともしびをともされ、主、私の神は、私のやみを照らされます。
18:29 あなたによって私は軍勢に襲いかかり、私の神によって私は城壁を飛び越えます。
18:30 神、その道は完全。主のみことばは純粋。主はすべて彼に身を避ける者の盾。
18:31 まことに、主のほかにだれが神であろうか。私たちの神を除いて、だれが岩であろうか。
18:32 この神こそ、私に力を帯びさせて私の道を完全にされる。
18:33 彼は私の足を雌鹿のようにし、私を高い所に立たせてくださる。
18:34 戦いのために私の手を鍛え、私の腕を青銅の弓をも引けるようにされる。
18:35 こうしてあなたは、御救いの盾を私に下さいました。あなたの右の手は私をささえ、あなたの謙遜は、私を大きくされます。
18:36 あなたは私を大またで歩かせます。私のくるぶしはよろけませんでした。
18:37 私は、敵を追って、これに追いつき、絶ち滅ぼすまでは引き返しませんでした。
18:38 私が彼らを打ち砕いたため、彼らは立つことができず、私の足もとに倒れました。
18:39 あなたは、戦いのために、私に力を帯びさせ、私に立ち向かう者を私のもとにひれ伏させました。
18:40 また、敵が私に背を見せるようにされたので、私は私を憎む者を滅ぼしました。
18:41 彼らが叫んでも、救う者はなかった。主に叫んでも、答えはなかった。
18:42 私は、彼らを風の前のちりのように、打ち砕き、道のどろのように除き去った。
18:43 あなたは、民の争いから、私を助け出し、私を国々のかしらに任ぜられました。私の知らなかった民が私に仕えます。
18:44 彼らは、耳で聞くとすぐ、私の言うことを聞き入れます。外国人らは、私におもねります。
18:45 外国人らはしなえて、彼らのとりでから震えて出て来ます。
18:46 主は生きておられる。ほむべきかな。わが岩。あがむべきかな。わが救いの神。
18:47 この神は私のために、復讐する方。神は諸国の民を私のもとに従わせてくださる。
18:48 神は、私の敵から私を助け出される方。まことに、あなたは私に立ち向かう者から私を引き上げ、暴虐の者から私を救い出されます。
18:49 それゆえ、主よ。私は、国々の中であなたをほめたたえ、あなたの御名を、ほめ歌います。
18:50 主は、王に救いを増し加え、油そそがれた者、ダビデとそのすえに、とこしえに恵みを施されます。

第19篇

指揮者のために。ダビデの賛歌
19:1 天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる。
19:2 昼は昼へ、話を伝え、夜は夜へ、知識を示す。
19:3 話もなく、ことばもなく、その声も聞かれない。
19:4 しかし、その呼び声は全地に響き渡り、そのことばは、地の果てまで届いた。神はそこに、太陽のために、幕屋を設けられた。
19:5 太陽は、部屋から出て来る花婿のようだ。勇士のように、その走路を喜び走る。
19:6 その上るのは、天の果てから、行き巡るのは、天の果て果てまで。その熱を、免れるものは何もない。
19:7 主のみおしえは完全で、たましいを生き返らせ、主のあかしは確かで、わきまえのない者を賢くする。
19:8 主の戒めは正しくて、人の心を喜ばせ、主の仰せはきよくて、人の目を明るくする。
19:9 主への恐れはきよく、とこしえまでも変わらない。主のさばきはまことであり、ことごとく正しい。
19:10 それらは、金よりも、多くの純金よりも好ましい。蜜よりも、蜜蜂の巣のしたたりよりも甘い。
19:11 また、それによって、あなたのしもべは戒めを受ける。それを守れば、報いは大きい。
19:12 だれが自分の数々のあやまちを悟ることができましょう。どうか、隠れている私の罪をお赦しください。
19:13 あなたのしもべを、傲慢の罪から守ってください。それらが私を支配しませんように。そうすれば、私は全き者となり、大きな罪を、免れて、きよくなるでしょう。
19:14 私の口のことばと、私の心の思いとが御前に、受け入れられますように。わが岩、わが贖い主、主よ。

第20篇

指揮者のために。ダビデの賛歌
20:1 苦難の日に主があなたにお答えになりますように。ヤコブの神の名が、あなたを高く上げますように。
20:2 主が聖所から、あなたに助けを送り、シオンから、あなたをささえられますように。
20:3 あなたの穀物のささげ物をすべて心に留め、あなたの全焼のいけにえを受け入れてくださいますように。セラ
20:4 主があなたの願いどおりにしてくださいますように。あなたのすべてのはかりごとを遂げさせてくださいますように。
20:5 私たちは、あなたの勝利を喜び歌いましょう。私たちの神の御名により旗を高く掲げましょう。主があなたの願いのすべてを遂げさせてくださいますように。
20:6 今こそ、私は知る。主は、油をそそがれた者を、お救いになる。主は、右の手の救いの力をもって聖なる天から、お答えになる。
20:7 ある者はいくさ車を誇り、ある者は馬を誇る。しかし、私たちは私たちの神、主の御名を誇ろう。
20:8 彼らは、ひざをつき、そして倒れた。しかし、私たちは、立ち上がり、まっすぐに立った。
20:9 主よ。王をお救いください。私たちが呼ぶときに私たちに答えてください。

第21篇

指揮者のために。ダビデの賛歌
21:1 主よ。王はあなたの御力を、喜びましょう。あなたの御救いをどんなに楽しむことでしょう。
21:2 あなたは彼の心の願いをかなえ、彼のくちびるの願いを、退けられません。セラ
21:3 あなたは彼を迎えてすばらしい祝福を与え、彼のかしらに純金の冠を置かれます。
21:4 彼はあなたに、いのちを請い求めました。あなたは彼に、とこしえまでの長い日々を与えられました。
21:5 御救いによって彼の栄光は、大きい。あなたは、尊厳と威光を彼の上に置かれます。
21:6 あなたは、とこしえに彼を祝福し、御前の喜びで彼を楽しませてくださいます。
21:7 まことに、王は主に信頼し、いと高き方の恵みによってゆるがないでしょう。
21:8 あなたの手は、あなたのすべての敵を見つけ出し、あなたの右の手は、あなたを憎む者どもを見つけ出します。
21:9 あなたの御怒りのとき、彼らを、燃える炉のようにされましょう。主は御怒りによって彼らをのみ尽くし、火は彼らを食い尽くすでしょう。
21:10 あなたは、地の上から、彼らのすえを滅ぼされましょう。また、人の子らの中から、彼らの子孫をも。
21:11 彼らが、あなたに対して悪を企て、たくらみを設けたとしても、彼らには、できません。
21:12 あなたは彼らが背を見せるようにし、弓弦を張って彼らの顔をねらわれるでしょう。
21:13 主よ。御力のゆえに、あなたがあがめられますように。私たちは歌い、あなたの威力をほめ歌います。

第22篇

指揮者のために。「暁の雌鹿」の調べに合わせて。ダビデの賛歌
22:1 わが神、わが神。どうして、私をお見捨てになったのですか。遠く離れて私をお救いにならないのですか。私のうめきのことばにも。
22:2 わが神。昼、私は呼びます。しかし、あなたはお答えになりません。夜も、私は黙っていられません。
22:3 けれども、あなたは聖であられ、イスラエルの賛美を住まいとしておられます。
22:4 私たちの先祖は、あなたに信頼しました。彼らは信頼し、あなたは彼らを助け出されました。
22:5 彼らはあなたに叫び、彼らは助け出されました。彼らはあなたに信頼し、彼らは恥を見ませんでした。
22:6 しかし、私は虫けらです。人間ではありません。人のそしり、民のさげすみです。
22:7 私を見る者はみな、私をあざけります。彼らは口をとがらせ、頭を振ります。
22:8 「主に身を任せよ。彼が助け出したらよい。彼に救い出させよ。彼のお気に入りなのだから。」
22:9 しかし、あなたは私を母の胎から取り出した方。母の乳房に拠り頼ませた方。
22:10 生まれる前から、私はあなたに、ゆだねられました。母の胎内にいた時から、あなたは私の神です。
22:11 どうか、遠く離れないでください。苦しみが近づいており、助ける者がいないのです。
22:12 数多い雄牛が、私を取り囲み、バシャンの強いものが、私を囲みました。
22:13 彼らは私に向かって、その口を開きました。引き裂き、ほえたける獅子のように。
22:14 私は、水のように注ぎ出され、私の骨々はみな、はずれました。私の心は、ろうのようになり、私の内で溶けました。
22:15 私の力は、土器のかけらのように、かわききり、私の舌は、上あごにくっついています。あなたは私を死のちりの上に置かれます。
22:16 犬どもが私を取り巻き、悪者どもの群れが、私を取り巻き、私の手足を引き裂きました。
22:17 私は、私の骨を、みな数えることができます。彼らは私をながめ、私を見ています。
22:18 彼らは私の着物を互いに分け合い、私の一つの着物を、くじ引きにします。
22:19 主よ。あなたは、遠く離れないでください。私の力よ、急いで私を助けてください。
22:20 私のたましいを、剣から救い出してください。私のいのちを、犬の手から。
22:21 私を救ってください。獅子の口から、野牛の角から。あなたは私に答えてくださいます。
22:22 私は、御名を私の兄弟たちに語り告げ、会衆の中で、あなたを賛美しましょう。
22:23 主を恐れる人々よ。主を賛美せよ。ヤコブのすべてのすえよ。主をあがめよ。イスラエルのすべてのすえよ。主の前におののけ。
22:24 まことに、主は悩む者の悩みをさげすむことなく、いとうことなく、御顔を隠されもしなかった。むしろ、彼が助けを叫び求めたとき、聞いてくださった。
22:25 大会衆の中での私の賛美はあなたから出たものです。私は主を恐れる人々の前で私の誓いを果たします。
22:26 悩む者は、食べて、満ち足り、主を尋ね求める人々は、主を賛美しましょう。あなたがたの心が、いつまでも生きるように。
22:27 地の果て果てもみな、思い起こし、主に帰って来るでしょう。また、国々の民もみな、あなたの御前で伏し拝みましょう。
22:28 まことに、王権は主のもの。主は、国々を統べ治めておられる。
22:29 地の裕福な者もみな、食べて、伏し拝み、ちりに下る者もみな、主の御前に、ひれ伏す。おのれのいのちを保つことのできない人も。
22:30 子孫たちも主に仕え、主のことが、次の世代に語り告げられよう。
22:31 彼らは来て、主のなされた義を、生まれてくる民に告げ知らせよう。

第23篇

ダビデの賛歌
23:1 主は私の羊飼い。私は、乏しいことがありません。
23:2 主は私を緑の牧場に伏させ、いこいの水のほとりに伴われます。
23:3 主は私のたましいを生き返らせ、御名のために、私を義の道に導かれます。
23:4 たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、私はわざわいを恐れません。あなたが私とともにおられますから。あなたのむちとあなたの杖、それが私の慰めです。
23:5 私の敵の前で、あなたは私のために食事をととのえ、私の頭に油をそそいでくださいます。私の杯は、あふれています。
23:6 まことに、私のいのちの日の限り、いつくしみと恵みとが、私を追って来るでしょう。私は、いつまでも、主の家に住まいましょう。

第24篇

ダビデの賛歌
24:1 地とそれに満ちているもの、世界とその中に住むものは主のものである。
24:2 まことに主は、海に地の基を据え、また、もろもろの川の上に、それを築き上げられた。
24:3 だれが、主の山に登りえようか。だれが、その聖なる所に立ちえようか。
24:4 手がきよく、心がきよらかな者、そのたましいをむなしいことに向けず、欺き誓わなかった人。
24:5 その人は主から祝福を受け、その救いの神から義を受ける。
24:6 これこそ、神を求める者の一族、あなたの御顔を慕い求める人々、ヤコブである。セラ
24:7 門よ。おまえたちのかしらを上げよ。永遠の戸よ。上がれ。栄光の王がはいって来られる。
24:8 栄光の王とは、だれか。強く、力ある主。戦いに力ある主。
24:9 門よ。おまえたちのかしらを上げよ。永遠の戸よ。上がれ。栄光の王がはいって来られる。
24:10 その栄光の王とはだれか。万軍の主。これぞ、栄光の王。セラ

第25篇

ダビデによる
25:1 主よ。私のたましいは、あなたを仰いでいます。
25:2 わが神。私は、あなたに信頼いたします。どうか私が恥を見ないようにしてください。私の敵が私に勝ち誇らないようにしてください。
25:3 まことに、あなたを待ち望む者はだれも恥を見ません。ゆえもなく裏切る者は恥を見ます。
25:4 主よ。あなたの道を私に知らせ、あなたの小道を私に教えてください。
25:5 あなたの真理のうちに私を導き、私を教えてください。あなたこそ、私の救いの神、私は、あなたを一日中待ち望んでいるのです。
25:6 主よ。あなたのあわれみと恵みを覚えていてください。それらはとこしえからあったのですから。
25:7 私の若い時の罪やそむきを覚えていないでください。あなたの恵みによって、私を覚えていてください。主よ。あなたのいつくしみのゆえに。
25:8 主は、いつくしみ深く、正しくあられる。それゆえ、罪人に道を教えられる。
25:9 主は貧しい者を公義に導き、貧しい者にご自身の道を教えられる。
25:10 主の小道はみな恵みと、まことである。その契約とそのさとしを守る者には。
25:11 主よ。御名のために、私の咎をお赦しください。大きな咎を。
25:12 主を恐れる人は、だれか。主はその人に選ぶべき道を教えられる。
25:13 その人のたましいは、しあわせの中に住み、その子孫は地を受け継ごう。
25:14 主はご自身を恐れる者と親しくされ、ご自身の契約を彼らにお知らせになる。
25:15 私の目はいつも主に向かう。主が私の足を網から引き出してくださるから。
25:16 私に御顔を向け、私をあわれんでください。私はただひとりで、悩んでいます。
25:17 私の心の苦しみが大きくなりました。どうか、苦悩のうちから私を引き出してください。
25:18 私の悩みと労苦を見て、私のすべての罪を赦してください。
25:19 私の敵がどんなに多いかを見てください。彼らは暴虐な憎しみで、私を憎んでいます。
25:20 私のたましいを守り、私を救い出してください。私が恥を見ないようにしてください。私はあなたに身を避けています。
25:21 誠実と正しさが私を保ちますように。私はあなたを待ち望んでいます。
25:22 神よ。イスラエルを、そのすべての苦しみから贖い出してください。

第26篇

ダビデによる
26:1 私を弁護してください。主よ。私が誠実に歩み、よろめくことなく、主に信頼したことを。
26:2 主よ。私を調べ、私を試みてください。私の思いと私の心をためしてください。
26:3 あなたの恵みが私の目の前にあり、私はあなたの真理のうちを歩み続けました。
26:4 私は、不信実な人とともにすわらず、偽善者とともに行きません。
26:5 私は、悪を行なう者の集まりを憎み、悪者とともにすわりません。
26:6 主よ。私は手を洗ってきよくし、あなたの祭壇の回りを歩きましょう。
26:7 感謝の声を聞こえさせ、あなたの奇しいみわざを余すことなく、語り告げましょう。
26:8 主よ。私は、あなたのおられる家と、あなたの栄光の住まう所を愛します。
26:9 どうか私のたましいを罪人とともに、また、私のいのちを血を流す人々とともに、取り集めないでください。
26:10 彼らの両手には放らつがあり、彼らの右の手はわいろで満ちています。
26:11 しかし、私は、誠実に歩みます。どうか私を贖い出し、私をあわれんでください。
26:12 私の足は平らな所に立っています。私は、数々の集まりの中で、主をほめたたえましょう。

第27篇

ダビデによる
27:1 主は、私の光、私の救い。だれを私は恐れよう。主は、私のいのちのとりで。だれを私はこわがろう。
27:2 悪を行なう者が私の肉を食らおうと、私に襲いかかったとき、私の仇、私の敵、彼らはつまずき、倒れた。
27:3 たとい、私に向かって陣営が張られても、私の心は恐れない。たとい、戦いが私に向かって起こっても、それにも、私は動じない。
27:4 私は一つのことを主に願った。私はそれを求めている。私のいのちの日の限り、主の家に住むことを。主の麗しさを仰ぎ見、その宮で、思いにふける、そのために。
27:5 それは、主が、悩みの日に私を隠れ場に隠し、その幕屋のひそかな所に私をかくまい、岩の上に私を上げてくださるからだ。
27:6 今、私のかしらは、私を取り囲む敵の上に高く上げられる。私は、その幕屋で、喜びのいけにえをささげ、歌うたい、主に、ほめ歌を歌おう。
27:7 聞いてください。主よ。私の呼ぶこの声を。私をあわれみ、私に答えてください。
27:8 あなたに代わって、私の心は申します。「わたしの顔を、慕い求めよ。」と。主よ。あなたの御顔を私は慕い求めます。
27:9 どうか、御顔を私に隠さないでください。あなたのしもべを、怒って、押しのけないでください。あなたは私の助けです。私を見放さないでください。見捨てないでください。私の救いの神。
27:10 私の父、私の母が、私を見捨てるときは、主が私を取り上げてくださる。
27:11 主よ。あなたの道を私に教えてください。私を待ち伏せている者どもがおりますから、私を平らな小道に導いてください。
27:12 私を、私の仇の意のままに、させないでください。偽りの証人どもが私に立ち向かい、暴言を吐いているのです。
27:13 ああ、私に、生ける者の地で主のいつくしみを見ることが信じられなかったなら。――
27:14 待ち望め。主を。雄々しくあれ。心を強くせよ。待ち望め。主を。

第28篇

ダビデによる
28:1 主よ。私はあなたに呼ばわります。私の岩よ。どうか私に耳を閉じないでください。私に口をつぐまれて、私が、穴に下る者と同じにされないように。
28:2 私の願いの声を聞いてください。私があなたに助けを叫び求めるとき。私の手をあなたの聖所の奥に向けて上げるとき。
28:3 どうか、悪者どもや不法を行なう者どもといっしょに、私をかたづけないでください。彼らは隣人と平和を語りながら、その心には悪があるのです。
28:4 彼らのすることと、彼らの行なう悪にしたがって、彼らに報いてください。その手のしわざにしたがって彼らに報い、その仕打ちに報復してください。
28:5 彼らは、主のなさることもその御手のわざをも悟らないので、主は、彼らを打ちこわし、建て直さない。
28:6 ほむべきかな。主。まことに主は私の願いの声を聞かれた。
28:7 主は私の力、私の盾。私の心は主に拠り頼み、私は助けられた。それゆえ私の心はこおどりして喜び、私は歌をもって、主に感謝しよう。
28:8 主は、彼らの力。主は、その油そそがれた者の、救いのとりで。
28:9 どうか、御民を救ってください。あなたのものである民を祝福してください。どうか彼らの羊飼いとなって、いつまでも、彼らを携えて行ってください。

第29篇

ダビデの賛歌
29:1 力ある者の子らよ。主に帰せよ。栄光と力とを主に帰せよ。
29:2 御名の栄光を、主に帰せよ。聖なる飾り物を着けて主にひれ伏せ。
29:3 主の声は、水の上にあり、栄光の神は、雷鳴を響かせる。主は、大水の上にいます。
29:4 主の声は、力強く、主の声は、威厳がある。
29:5 主の声は、杉の木を引き裂く。まことに、主はレバノンの杉の木を打ち砕く。
29:6 主は、それらを、子牛のように、はねさせる。レバノンとシルヨンを若い野牛のように。
29:7 主の声は、火の炎を、ひらめかせる。
29:8 主の声は、荒野をゆすぶり、主は、カデシュの荒野を、ゆすぶられる。
29:9 主の声は、雌鹿に産みの苦しみをさせ、大森林を裸にする。その宮で、すべてのものが、「栄光。」と言う。
29:10 主は、大洪水のときに御座に着かれた。まことに、主は、とこしえに王として御座に着いておられる。
29:11 主は、ご自身の民に力をお与えになる。主は、平安をもって、ご自身の民を祝福される。

第30篇

ダビデの賛歌。家をささげる歌
30:1 主よ。私はあなたをあがめます。あなたが私を引き上げ、私の敵を喜ばせることはされなかったからです。
30:2 私の神、主よ。私があなたに叫び求めると、あなたは私を、いやされました。
30:3 主よ。あなたは私のたましいをよみから引き上げ、私が穴に下って行かないように、私を生かしておかれました。
30:4 聖徒たちよ。主をほめ歌え。その聖なる御名に感謝せよ。
30:5 まことに、御怒りはつかの間、いのちは恩寵のうちにある。夕暮れには涙が宿っても、朝明けには喜びの叫びがある。
30:6 私が栄えたときに、私はこう言った。「私は決してゆるがされない。」
30:7 主よ。あなたはご恩寵のうちに、私の山を強く立たせてくださいました。あなたが御顔を隠され、私はおじ惑っていましたが。
30:8 主よ。私はあなたを呼び求めます。私の主にあわれみを請います。
30:9 私が墓に下っても、私の血に何の益があるのでしょうか。ちりが、あなたを、ほめたたえるでしょうか。あなたのまことを、告げるでしょうか。
30:10 聞いてください。主よ。私をあわれんでください。主よ。私の助けとなってください。
30:11 あなたは私のために、嘆きを踊りに変えてくださいました。あなたは私の荒布を解き、喜びを私に着せてくださいました。
30:12 私のたましいがあなたをほめ歌い、黙っていることがないために。私の神、主よ。私はとこしえまでも、あなたに感謝します。

第31篇

指揮者のために。ダビデの賛歌
31:1 主よ。私はあなたに身を避けています。私が決して恥を見ないようにしてください。あなたの義によって、私を助け出してください。
31:2 私に耳を傾け、早く私を救い出してください。私の力の岩となり、強いとりでとなって、私を救ってください。
31:3 あなたこそ、私の巌、私のとりでです。あなたの御名のゆえに、私を導き、私を伴ってください。
31:4 私をねらってひそかに張られた網から、私を引き出してください。あなたは私の力ですから。
31:5 私のたましいを御手にゆだねます。真実の神、主よ。あなたは私を贖い出してくださいました。
31:6 私は、むなしい偶像につく者を憎み、主に信頼しています。
31:7 あなたの恵みを私は楽しみ、喜びます。あなたは、私の悩みをご覧になり、私のたましいの苦しみを知っておられました。
31:8 あなたは私を敵の手に渡さず、私の足を広い所に立たせてくださいました。
31:9 私をあわれんでください。主よ。私には苦しみがあるのです。私の目はいらだちで衰えてしまいました。私のたましいも、また私のからだも。
31:10 まことに私のいのちは悲しみで尽き果てました。私の年もまた、嘆きで。私の力は私の咎によって弱まり、私の骨々も衰えてしまいました。
31:11 私は、敵対するすべての者から、非難されました。わけても、私の隣人から。私の親友には恐れられ、外で私に会う者は、私を避けて逃げ去ります。
31:12 私は死人のように、人の心から忘れられ、こわれた器のようになりました。
31:13 私は多くの者のそしりを聞きました。「四方八方みな恐怖だ。」と。彼らは私に逆らって相ともに集まったとき、私のいのちを取ろうと図りました。
31:14 しかし、主よ。私は、あなたに信頼しています。私は告白します。「あなたこそ私の神です。」
31:15 私の時は、御手の中にあります。私を敵の手から、また追い迫る者の手から、救い出してください。
31:16 御顔をあなたのしもべの上に照り輝かせてください。あなたの恵みによって私をお救いください。
31:17 主よ。私が恥を見ないようにしてください。私はあなたを呼び求めていますから。悪者をはずかしめてください。彼らをよみで静まらせてください。
31:18 偽りのくちびるを封じてください。それは正しい者に向かって、横柄に語っています。高ぶりとさげすみをもって。
31:19 あなたのいつくしみは、なんと大きいことでしょう。あなたはそれを、あなたを恐れる者のためにたくわえ、あなたに身を避ける者のために人の子の前で、それを備えられました。
31:20 あなたは彼らを人のそしりから、あなたのおられるひそかな所にかくまい、舌の争いから、隠れ場に隠されます。
31:21 ほむべきかな。主。主は包囲された町の中で私に奇しい恵みを施されました。
31:22 私はあわてて言いました。「私はあなたの目の前から断たれたのだ。」と。しかし、あなたは私の願いの声を聞かれました。私があなたに叫び求めたときに。
31:23 すべて、主の聖徒たちよ。主を愛しまつれ。主は誠実な者を保たれるが、高ぶる者には、きびしく報いをされる。
31:24 雄々しくあれ。心を強くせよ。すべて主を待ち望む者よ。

第32篇

ダビデのマスキール
32:1 幸いなことよ。そのそむきを赦され、罪をおおわれた人は。
32:2 幸いなことよ。主が、咎をお認めにならない人、心に欺きのないその人は。
32:3 私は黙っていたときには、一日中、うめいて、私の骨々は疲れ果てました。
32:4 それは、御手が昼も夜も私の上に重くのしかかり、私の骨髄は、夏のひでりでかわききったからです。セラ
32:5 私は、自分の罪を、あなたに知らせ、私の咎を隠しませんでした。私は申しました。「私のそむきの罪を主に告白しよう。」すると、あなたは私の罪のとがめを赦されました。セラ
32:6 それゆえ、聖徒は、みな、あなたに祈ります。あなたにお会いできる間に。まことに、大水の濁流も、彼の所に届きません。
32:7 あなたは私の隠れ場。あなたは苦しみから私を守り、救いの歓声で、私を取り囲まれます。セラ
32:8 わたしは、あなたがたに悟りを与え、行くべき道を教えよう。わたしはあなたがたに目を留めて、助言を与えよう。
32:9 あなたがたは、悟りのない馬や騾馬のようであってはならない。それらは、くつわや手綱の馬具で押えなければ、あなたに近づかない。
32:10 悪者には心の痛みが多い。しかし、主に信頼する者には、恵みが、その人を取り囲む。
32:11 正しい者たち。主にあって、喜び、楽しめ。すべて心の直ぐな人たちよ。喜びの声をあげよ。

第33篇

33:1 正しい者たち。主にあって、喜び歌え。賛美は心の直ぐな人たちにふさわしい。
33:2 立琴をもって主に感謝せよ。十弦の琴をもって、ほめ歌を歌え。
33:3 新しい歌を主に向かって歌え。喜びの叫びとともに、巧みに弦をかき鳴らせ。
33:4 まことに、主のことばは正しく、そのわざはことごとく真実である。
33:5 主は正義と公正を愛される。地は主の恵みに満ちている。
33:6 主のことばによって、天は造られた。天の万象もすべて、御口のいぶきによって。
33:7 主は海の水をせきのように集め、深い水を倉に収められる。
33:8 全地よ。主を恐れよ。世界に住む者よ。みな、主の前におののけ。
33:9 まことに、主が仰せられると、そのようになり、主が命じられると、それは堅く立つ。
33:10 主は国々のはかりごとを無効にし、国々の民の計画をむなしくされる。
33:11 主のはかりごとはとこしえに立ち、御心の計画は代々に至る。
33:12 幸いなことよ。主をおのれの神とする、その国は。神が、ご自身のものとしてお選びになった、その民は。
33:13 主は天から目を注ぎ、人の子らを残らずご覧になる。
33:14 御住まいの所から地に住むすべての者に目を注がれる。
33:15 主は、彼らの心をそれぞれみな造り、彼らのわざのすべてを読み取る方。
33:16 王は軍勢の多いことによっては救われない。勇者は力の強いことによっては救い出されない。
33:17 軍馬も勝利の頼みにはならない。その大きな力も救いにならない。
33:18 見よ。主の目は主を恐れる者に注がれる。その恵みを待ち望む者に。
33:19 彼らのたましいを死から救い出し、ききんのときにも彼らを生きながらえさせるために。
33:20 私たちのたましいは主を待ち望む。主は、われらの助け、われらの盾。
33:21 まことに私たちの心は主を喜ぶ。私たちは、聖なる御名に信頼している。
33:22 主よ。あなたの恵みが私たちの上にありますように。私たちがあなたを待ち望んだときに。

第34篇

ダビデによる。彼がアビメレクの前で気違いを装い、彼に追われて去ったとき
34:1 私はあらゆる時に主をほめたたえる。私の口には、いつも、主への賛美がある。
34:2 私のたましいは主を誇る。貧しい者はそれを聞いて喜ぶ。
34:3 私とともに主をほめよ。共に、御名をあがめよう。
34:4 私が主を求めると、主は答えてくださった。私をすべての恐怖から救い出してくださった。
34:5 彼らが主を仰ぎ見ると、彼らは輝いた。「彼らの顔をはずかしめないでください。」
34:6 この悩む者が呼ばわったとき、主は聞かれた。こうして、彼らはすべての苦しみから救われた。
34:7 主の使いは主を恐れる者の回りに陣を張り、彼らを助け出される。
34:8 主のすばらしさを味わい、これを見つめよ。幸いなことよ。彼に身を避ける者は。
34:9 主を恐れよ。その聖徒たちよ。彼を恐れる者には乏しいことはないからだ。
34:10 若い獅子も乏しくなって飢える。しかし、主を尋ね求める者は、良いものに何一つ欠けることはない。
34:11 来なさい。子たちよ。私に聞きなさい。主を恐れることを教えよう。
34:12 いのちを喜びとし、しあわせを見ようと、日数の多いのを愛する人は、だれか。
34:13 あなたの舌に悪口を言わせず、くちびるに欺きを語らせるな。
34:14 悪を離れ、善を行なえ。平和を求め、それを追い求めよ。
34:15 主の目は正しい者に向き、その耳は彼らの叫びに傾けられる。
34:16 主の御顔は悪をなす者からそむけられ、彼らの記憶を地から消される。
34:17 彼らが叫ぶと、主は聞いてくださる。そして、彼らをそのすべての苦しみから救い出される。
34:18 主は心の打ち砕かれた者の近くにおられ、たましいの砕かれた者を救われる。
34:19 正しい者の悩みは多い。しかし、主はそのすべてから彼を救い出される。
34:20 主は、彼の骨をことごとく守り、その一つさえ、砕かれることはない。
34:21 悪は悪者を殺し、正しい者を憎む者は罪に定められる。
34:22 主はそのしもべのたましいを贖い出される。主に身を避ける者は、だれも罪に定められない。

第35篇

ダビデによる
35:1 主よ。私と争う者と争い、私と戦う者と戦ってください。
35:2 盾と大盾とを手に取って、私を助けに、立ち上がってください。
35:3 槍を抜き、私に追い迫る者を封じてください。私のたましいに言ってください。「わたしがあなたの救いだ。」と。
35:4 私のいのちを求める者どもが恥を見、卑しめられますように。私のわざわいを図る者が退き、はずかしめを受けますように。
35:5 彼らを風の前のもみがらのようにし、主の使いに押しのけさせてください。
35:6 彼らの道をやみとし、また、すべるようにし、主の使いに彼らを追わせてください。
35:7 まことに、彼らはゆえもなく、私にひそかに網を張り、ゆえもなく、私のたましいを陥れようと、穴を掘りました。
35:8 思わぬときに、滅びが彼を襲いますように。ひそかに張ったおのれの網が彼を捕え、滅びの中に彼が落ち込みますように。
35:9 こうして私のたましいは、主にあって喜び、御救いの中にあって楽しむことでしょう。
35:10 私のすべての骨は言いましょう。「主よ。だれか、あなたのような方があるでしょうか。悩む者を、彼よりも強い者から救い出す方。そうです。悩む者、貧しい者を、奪い取る者から。」
35:11 暴虐な証人どもが立ち私の知らないことを私に問う。
35:12 彼らは善にかえて悪を報い、私のたましいは見捨てられる。
35:13 しかし、私は――、彼らの病のとき、私の着物は荒布だった。私は断食してたましいを悩ませ、私の祈りは私の胸を行き来していた。
35:14 私の友、私の兄弟にするように、私は歩き回り、母の喪に服するように、私はうなだれて泣き悲しんだ。
35:15 だが、彼らは私がつまずくと喜び、相つどい、私の知らない攻撃者どもが、共に私を目ざして集まり、休みなく私を中傷した。
35:16 私の回りの、あざけり、ののしる者どもは私に向かって歯ぎしりした。
35:17 わが主よ。いつまでながめておられるのですか。どうか私のたましいを彼らの略奪から、私のただ一つのものを若い獅子から、奪い返してください。
35:18 私は大きな会衆の中で、あなたに感謝し、強い人々の間で、あなたを賛美します。
35:19 偽り者の、私の敵を、私のことで喜ばせないでください。ゆえもなく私を憎む人々が目くばせしないようにしてください。
35:20 彼らは平和を語らず、地の平穏な人々に、欺きごとをたくらむからです。
35:21 彼らは私に向かって、大きく口を開き、「あはは、あはは。この目で見たぞ。」と言います。
35:22 主よ。あなたはそれをご覧になったのです。黙っていないでください。わが主よ。私から遠く離れないでください。
35:23 奮い立ってください。目をさましてください。私のさばきのために。わが神、わが主よ。私の訴えのために。
35:24 あなたの義にしたがって、私を弁護してください。わが神、主よ。彼らを私のことで喜ばせないでください。
35:25 彼らに心のうちで言わせないでください。「あはは。われわれの望みどおりだ。」と。また、言わせないでください。「われわれは彼を、のみこんだ。」と。
35:26 私のわざわいを楽しんでいる者らは、みな恥を見、はずかしめを受けますように。私に向かって高ぶる者は、恥と侮辱をこうむりますように。
35:27 私の義を喜びとする者は、喜びの声をあげ、楽しむようにしてください。彼らにいつも言わせてください。「ご自分のしもべの繁栄を喜ばれる主は、大いなるかな。」と。
35:28 私の舌はあなたの義とあなたの誉れを日夜、口ずさむことでしょう。

第36篇

指揮者のために。主のしもべ、ダビデによる
36:1 罪は悪者の心の中に語りかける。彼の目の前には、神に対する恐れがない。
36:2 彼はおのれの目で自分にへつらっている。おのれの咎を見つけ出し、それを憎むことで。
36:3 彼の口のことばは、不法と欺きだ。彼は知恵を得ることも、善を行なうこともやめてしまっている。
36:4 彼は寝床で、不法を図り、よくない道に堅く立っていて、悪を捨てようとしない。
36:5 主よ。あなたの恵みは天にあり、あなたの真実は雲にまで及びます。
36:6 あなたの義は高くそびえる山のようで、あなたのさばきは深い海のようです。あなたは人や獣を栄えさせてくださいます。主よ。
36:7 神よ。あなたの恵みは、なんと尊いことでしょう。人の子らは御翼の陰に身を避けます。
36:8 彼らはあなたの家の豊かさを心ゆくまで飲むでしょう。あなたの楽しみの流れを、あなたは彼らに飲ませなさいます。
36:9 いのちの泉はあなたにあり、私たちは、あなたの光のうちに光を見るからです。
36:10 注いでください。あなたの恵みを、あなたを知る者に。あなたの義を、心の直ぐな人に。
36:11 高ぶりの足が私に追いつかず、悪者の手が私を追いやらないようにしてください。
36:12 そこでは、不法を行なう者は倒れ、押し倒されて立ち上がれません。

第37篇

ダビデによる
37:1 悪を行なう者に対して腹を立てるな。不正を行なう者に対してねたみを起こすな。
37:2 彼らは草のようにたちまちしおれ、青草のように枯れるのだ。
37:3 主に信頼して善を行なえ。地に住み、誠実を養え。
37:4 主をおのれの喜びとせよ。主はあなたの心の願いをかなえてくださる。
37:5 あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。
37:6 主は、あなたの義を光のように、あなたのさばきを真昼のように輝かされる。
37:7 主の前に静まり、耐え忍んで主を待て。おのれの道の栄える者に対して、悪意を遂げようとする人に対して、腹を立てるな。
37:8 怒ることをやめ、憤りを捨てよ。腹を立てるな。それはただ悪への道だ。
37:9 悪を行なう者は断ち切られる。しかし主を待ち望む者、彼らは地を受け継ごう。
37:10 ただしばらくの間だけで、悪者はいなくなる。あなたが彼の居所を調べても、彼はそこにはいないだろう。
37:11 しかし、貧しい人は地を受け継ごう。また、豊かな繁栄をおのれの喜びとしよう。
37:12 悪者は正しい者に敵対して事を図り、歯ぎしりして彼に向かう。
37:13 主は彼を笑われる。彼の日が迫っているのをご覧になるから。
37:14 悪者どもは剣を抜き、弓を張った。悩む者、貧しい者を打ち倒し、行ないの正しい者を切り殺すために。
37:15 彼らの剣はおのれの心臓を貫き、彼らの弓は折られよう。
37:16 ひとりの正しい者の持つわずかなものは、多くの悪者の豊かさにまさる。
37:17 なぜなら、悪者の腕は折られるが、主は正しい者をささえられるからだ。
37:18 主は全き人の日々を知っておられ、彼らのゆずりは永遠に残る。
37:19 彼らはわざわいのときにも恥を見ず、ききんのときにも満ち足りよう。
37:20 しかし悪者は滅びる。主の敵は牧場の青草のようだ。彼らは消えうせる。煙となって消えうせる。
37:21 悪者は、借りるが返さない。正しい者は、情け深くて人に施す。
37:22 主に祝福された者は地を受け継ごう。しかし主にのろわれた者は断ち切られる。
37:23 人の歩みは主によって確かにされる。主はその人の道を喜ばれる。
37:24 その人は倒れてもまっさかさまに倒されはしない。主がその手をささえておられるからだ。
37:25 私が若かったときも、また年老いた今も、正しい者が見捨てられたり、その子孫が食べ物を請うのを見たことがない。
37:26 その人はいつも情け深く人に貸す。その子孫は祝福を得る。
37:27 悪を離れて善を行ない、いつまでも住みつくようにせよ。
37:28 まことに、主は公義を愛し、ご自身の聖徒を見捨てられない。彼らは永遠に保たれるが、悪者どもの子孫は断ち切られる。
37:29 正しい者は地を受け継ごう。そして、そこにいつまでも住みつこう。
37:30 正しい者の口は知恵を語り、その舌は公義を告げる。
37:31 心に神のみおしえがあり、彼の歩みはよろけない。
37:32 悪者は正しい者を待ち伏せ、彼を殺そうとする。
37:33 主は、彼をその者の手の中に捨ておかず、彼がさばかれるとき、彼を罪に定められない。
37:34 主を待ち望め。その道を守れ。そうすれば、主はあなたを高く上げて、地を受け継がせてくださる。あなたは悪者が断ち切られるのを見よう。
37:35 私は悪者の横暴を見た。彼は、おい茂る野生の木のようにはびこっていた。
37:36 だが、彼は過ぎ去った。見よ。彼はもういない。私は彼を捜し求めたが見つからなかった。
37:37 全き人に目を留め、直ぐな人を見よ。平和の人には子孫ができる。
37:38 しかし、そむく者は、相ともに滅ぼされる。悪者どもの子孫は断ち切られる。
37:39 正しい者の救いは、主から来る。苦難のときの彼らのとりでは主である。
37:40 主は彼らを助け、彼らを解き放たれる。主は、悪者どもから彼らを解き放ち、彼らを救われる。彼らが主に身を避けるからだ。

第38篇

記念のためのダビデの賛歌
38:1 主よ。あなたの大きな怒りで私を責めないでください。あなたの激しい憤りで私を懲らしめないでください。
38:2 あなたの矢が私の中に突き刺さり、あなたの手が私の上に激しく下って来ました。
38:3 あなたの憤りのため、私の肉には完全なところがなく、私の罪のため私の骨には健全なところがありません。
38:4 私の咎が、私の頭を越え、重荷のように、私には重すぎるからです。
38:5 私の傷は、悪臭を放ち、ただれました。それは私の愚かしさのためです。
38:6 私はかがみ、深くうなだれ、一日中、嘆いて歩いています。
38:7 私の腰はやけどでおおい尽くされ、私の肉には完全なところがありません。
38:8 私はしびれ、砕き尽くされ、心の乱れのためにうめいています。
38:9 主よ。私の願いはすべてあなたの御前にあり、私の嘆きはあなたから隠されていません。
38:10 私の心はわななきにわななき、私の力は私を見捨て、目の光さえも、私にはなくなりました。
38:11 私の愛する者や私の友も、私のえやみを避けて立ち、私の近親の者も遠く離れて立っています。
38:12 私のいのちを求める者はわなを仕掛け、私を痛めつけようとする者は私の破滅を告げ、一日中、欺きを語っています。
38:13 しかし私には聞こえません。私は耳しいのよう。口を開かないおしのよう。
38:14 まことに私は、耳が聞こえず、口で言い争わない人のようです。
38:15 それは、主よ、私があなたを待ち望んでいるからです。わが神、主よ。あなたが答えてくださいますように。
38:16 私は申しました。「私の足がよろけるとき、彼らが私のことで喜ばず、私に対して高ぶらないようにしてください。」
38:17 私はつまずき倒れそうであり、私の痛みはいつも私の前にあります。
38:18 私は自分の咎を言い表わし、私の罪で私は不安になっています。
38:19 しかし私の敵は、活気に満ちて、強く、私を憎む偽り者が多くいます。
38:20 また、善にかえて悪を報いる者どもは、私が善を追い求めるからといって、私をなじっています。
38:21 私を見捨てないでください。主よ。わが神よ。私から遠く離れないでください。
38:22 急いで私を助けてください。主よ、私の救いよ。

第39篇

指揮者エドトンのために。ダビデの賛歌
39:1 私は言った。私は自分の道に気をつけよう。私が舌で罪を犯さないために。私の口に口輪をはめておこう。悪者が私の前にいる間は。
39:2 私はひたすら沈黙を守った。よいことにさえ、黙っていた。それで私の痛みは激しくなった。
39:3 私の心は私のうちで熱くなり、私がうめく間に、火は燃え上がった。そこで私は自分の舌で、こう言った。
39:4 主よ。お知らせください。私の終わり、私の齢が、どれだけなのか。私が、どんなに、はかないかを知ることができるように。
39:5 ご覧ください。あなたは私の日を手幅ほどにされました。私の一生は、あなたの前では、ないのも同然です。まことに、人はみな、盛んなときでも、全くむなしいものです。セラ
39:6 まことに、人は幻のように歩き回り、まことに、彼らはむなしく立ち騒ぎます。人は、積みたくわえるが、だれがそれを集めるのかを知りません。
39:7 主よ。今、私は何を待ち望みましょう。私の望み、それはあなたです。
39:8 私のすべてのそむきの罪から私を助け出してください。私を愚か者のそしりとしないでください。
39:9 私は黙し、口を開きません。あなたが、そうなさったからです。
39:10 どうか、あなたのむちを私から取り除いてください。あなたの手に打たれて、私は衰え果てました。
39:11 あなたは、不義を責めて人を懲らしめ、その人の望むものを、しみが食うように、なくしてしまわれます。まことに、人はみな、むなしいものです。セラ
39:12 私の祈りを聞いてください。主よ。私の叫びを耳に入れてください。私の涙に、黙っていないでください。私はあなたとともにいる旅人で、私のすべての先祖たちのように、寄留の者なのです。
39:13 私を見つめないでください。私が去って、いなくなる前に、私がほがらかになれるように。

第40篇

指揮者のために。ダビデの賛歌
40:1 私は切なる思いで主を待ち望んだ。主は、私のほうに身を傾け、私の叫びをお聞きになり、
40:2 私を滅びの穴から、泥沼から、引き上げてくださった。そして私の足を巌の上に置き、私の歩みを確かにされた。
40:3 主は、私の口に、新しい歌、われらの神への賛美を授けられた。多くの者は見、そして恐れ、主に信頼しよう。
40:4 幸いなことよ。主に信頼し、高ぶる者や、偽りに陥る者たちのほうに向かなかった、その人は。
40:5 わが神、主よ。あなたがなさった奇しいわざと、私たちへの御計りは、数も知れず、あなたに並ぶ者はありません。私が告げても、また語っても、それは多くて述べ尽くせません。
40:6 あなたは、いけにえや穀物のささげ物をお喜びにはなりませんでした。あなたは私の耳を開いてくださいました。あなたは、全焼のいけにえも、罪のためのいけにえも、お求めになりませんでした。
40:7 そのとき私は申しました。「今、私はここに来ております。巻き物の書に私のことが書いてあります。
40:8 わが神。私はみこころを行なうことを喜びとします。あなたのおしえは私の心のうちにあります。」
40:9 私は大きな会衆の中で、義の良い知らせを告げました。ご覧ください。私は私のくちびるを押えません。主よ。あなたはご存じです。
40:10 私は、あなたの義を心の中に隠しませんでした。あなたの真実とあなたの救いを告げました。私は、あなたの恵みとあなたのまことを大いなる会衆に隠しませんでした。
40:11 あなたは、主よ。私にあわれみを惜しまないでください。あなたの恵みと、あなたのまことが、絶えず私を見守るようにしてください。
40:12 数えきれないほどのわざわいが私を取り囲み、私の咎が私に追いついたので、私は見ることさえできません。それは私の髪の毛よりも多く、私の心も私を見捨てました。
40:13 主よ。どうかみこころによって私を救い出してください。主よ。急いで、私を助けてください。
40:14 私のいのちを求め、滅ぼそうとする者どもが、みな恥を見、はずかしめを受けますように。私のわざわいを喜ぶ者どもが退き、卑しめられますように。
40:15 私を「あはは。」とあざ笑う者どもが、おのれの恥のために、色を失いますように。
40:16 あなたを慕い求める人がみな、あなたにあって楽しみ、喜びますように。あなたの救いを愛する人たちが、「主をあがめよう。」と、いつも言いますように。
40:17 私は悩む者、貧しい者です。主よ。私を顧みてください。あなたは私の助け、私を助け出す方。わが神よ。遅れないでください。

第41篇

指揮者のために。ダビデの賛歌
41:1 幸いなことよ。弱っている者に心を配る人は。主はわざわいの日にその人を助け出される。
41:2 主は彼を見守り、彼を生きながらえさせ、地上でしあわせな者とされる。どうか彼を敵の意のままにさせないでください。
41:3 主は病の床で彼をささえられる。病むときにどうか彼を全くいやしてくださるように。
41:4 私は言った。「主よ、あわれんでください。私のたましいをいやしてください。私はあなたに罪を犯したからです。」
41:5 私の敵は、私の悪口を言います。「いつ、彼は死に、その名は滅びるのだろうか。」
41:6 たとい、人が見舞いに来ても、その人はうそを言い、その心のうちでは、悪意をたくわえ、外に出ては、それを言いふらす。
41:7 私を憎む者はみな、私について共にささやき、私に対して、悪をたくらむ。
41:8 「邪悪なものが、彼に取りついている。彼が床に着いたからには、もう二度と起き上がれまい。」
41:9 私が信頼し、私のパンを食べた親しい友までが、私にそむいて、かかとを上げた。
41:10 しかし、主よ。あなたは私をあわれんでください。私を立ち上がらせてください。そうすれば私は、彼らに仕返しができます。
41:11 このことによって、あなたは私を喜んでおられるのが、わかります。私の敵が私に勝ちどきをあげないからです。
41:12 誠実を尽くしている私を強くささえ、いつまでも、あなたの御顔の前に立たせてください。
41:13 ほむべきかな。イスラエルの神、主。とこしえから、とこしえまで。アーメン。アーメン。

第42篇

42:1 鹿が谷川の流れを慕いあえぐように、神よ。私のたましいはあなたを慕いあえぎます。
42:2 私のたましいは、神を、生ける神を求めて渇いています。いつ、私は行って、神の御前に出ましょうか。
42:3 私の涙は、昼も夜も、私の食べ物でした。人が一日中「おまえの神はどこにいるのか。」と私に言う間。
42:4 私はあの事などを思い起こし、御前に私の心を注ぎ出しています。私があの群れといっしょに行き巡り、喜びと感謝の声をあげて、祭りを祝う群集とともに神の家へとゆっくり歩いて行ったことなどを。
42:5 わがたましいよ。なぜ、おまえは絶望しているのか。御前で思い乱れているのか。神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。御顔の救いを。
42:6 私の神よ。私のたましいは御前に絶望しています。それゆえ、ヨルダンとヘルモンの地から、またミツァルの山から私はあなたを思い起こします。
42:7 あなたの大滝のとどろきに、淵が淵を呼び起こし、あなたの波、あなたの大波は、みな私の上を越えて行きました。
42:8 昼には、主が恵みを施し、夜には、その歌が私とともにあります。私のいのち、神への、祈りが。
42:9 私は、わが巌の神に申し上げます。「なぜ、あなたは私をお忘れになったのですか。なぜ私は敵のしいたげに、嘆いて歩くのですか。」
42:10 私に敵対する者どもは、私の骨々が打ち砕かれるほど、私をそしり、一日中、「おまえの神はどこにいるか。」と私に言っています。
42:11 わがたましいよ。なぜ、おまえは絶望しているのか。なぜ、御前で思い乱れているのか。神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。私の救い、私の神を。

第43篇

43:1 神よ。私のためにさばいてください。私の訴えを取り上げ、神を恐れない民の言い分を退けてください。欺きと不正の人から私を助け出してください。
43:2 あなたは私の力の神であられるからです。なぜあなたは私を拒まれたのですか。なぜ私は敵のしいたげに、嘆いて歩き回るのですか。
43:3 どうか、あなたの光とまことを送り、私を導いてください。あなたの聖なる山、あなたのお住まいに向かってそれらが、私を連れて行きますように。
43:4 こうして、私は神の祭壇、私の最も喜びとする神のみもとに行き、立琴に合わせて、あなたをほめたたえましょう。神よ。私の神よ。
43:5 わがたましいよ。なぜ、おまえは絶望しているのか。なぜ、御前で思い乱れているのか。神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。私の救い、私の神を。

第44篇

指揮者のために。コラの子たちのマスキール
44:1 神よ。私たちはこの耳で、先祖たちが語ってくれたことを聞きました。あなたが昔、彼らの時代になさったみわざを。
44:2 あなたは御手をもって、国々を追い払い、そこに彼らを植え、国民にわざわいを与え、そこに彼らを送り込まれました。
44:3 彼らは、自分の剣によって地を得たのでもなく、自分の腕が彼らを救ったのでもありません。ただあなたの右の手、あなたの腕、あなたの御顔の光が、そうしたのです。あなたが彼らを愛されたからです。
44:4 神よ。あなたこそ私の王です。ヤコブの勝利を命じてください。
44:5 あなたによって私たちは、敵を押し返し、御名によって私たちに立ち向かう者どもを踏みつけましょう。
44:6 私は私の弓にたよりません。私の剣も私を救いません。
44:7 しかしあなたは、敵から私たちを救い、私たちを憎む者らをはずかしめなさいました。
44:8 私たちはいつも神によって誇りました。また、あなたの御名をとこしえにほめたたえます。セラ
44:9 それなのに、あなたは私たちを拒み、卑しめました。あなたはもはや、私たちの軍勢とともに出陣なさいません。
44:10 あなたは私たちを敵から退かせ、私たちを憎む者らは思うままにかすめ奪いました。
44:11 あなたは私たちを食用の羊のようにし、国々の中に私たちを散らされました。
44:12 あなたはご自分の民を安値で売り、その代価で何の得もなさいませんでした。
44:13 あなたは私たちを、隣人のそしりとし、回りの者のあざけりとし、笑いぐさとされます。
44:14 あなたは私たちを国々の中で物笑いの種とし、民の中で笑い者とされるのです。
44:15 私の前には、一日中、はずかしめがあって、私の顔の恥が私をおおってしまいました。
44:16 それはそしる者とののしる者の声のため、敵と復讐者のためでした。
44:17 これらのことすべてが私たちを襲いました。しかし私たちはあなたを忘れませんでした。また、あなたの契約を無にしませんでした。
44:18 私たちの心はたじろがず、私たちの歩みはあなたの道からそれませんでした。
44:19 しかも、あなたはジャッカルの住む所で私たちを砕き、死の陰で私たちをおおわれたのです。
44:20 もし、私たちが私たちの神の名を忘れ、ほかの神に私たちの手を差し伸ばしたなら、
44:21 神はこれを探り出されないでしょうか。神は心の秘密を知っておられるからです。
44:22 だが、あなたのために、私たちは一日中、殺されています。私たちは、ほふられる羊とみなされています。
44:23 起きてください。主よ。なぜ眠っておられるのですか。目をさましてください。いつまでも拒まないでください。
44:24 なぜ御顔をお隠しになるのですか。私たちの悩みとしいたげをお忘れになるのですか。
44:25 私たちのたましいはちりに伏し、私たちの腹は地にへばりついています。
44:26 立ち上がって私たちをお助けください。あなたの恵みのために私たちを贖い出してください。

第45篇

指揮者のために。「ゆりの花」の調べに合わせて。コラの子たちのマスキール。愛の歌
45:1 私の心はすばらしいことばでわき立っている。私は王に私の作ったものを語ろう。私の舌は巧みな書記の筆。
45:2 あなたは人の子らにまさって麗しい。あなたのくちびるからは優しさが流れ出る。神がとこしえにあなたを祝福しておられるからだ。
45:3 雄々しい方よ。あなたの剣を腰に帯びよ。あなたの尊厳と威光を。
45:4 あなたの威光は、真理と柔和と義のために、勝利のうちに乗り進め。あなたの右の手は、恐ろしいことをあなたに教えよ。
45:5 あなたの矢は鋭い。国々の民はあなたのもとに倒れ、王の敵は気を失う。
45:6 神よ。あなたの王座は世々限りなく、あなたの王国の杖は公正の杖。
45:7 あなたは義を愛し、悪を憎んだ。それゆえ、神よ。あなたの神は喜びの油をあなたのともがらにまして、あなたにそそがれた。
45:8 あなたの着物はみな、没薬、アロエ、肉桂のかおりを放ち、象牙のやかたから聞こえる緒琴はあなたを喜ばせた。
45:9 王たちの娘があなたの愛する女たちの中にいる。王妃はオフィルの金を身に着けて、あなたの右に立つ。
45:10 娘よ。聞け。心して、耳を傾けよ。あなたの民と、あなたの父の家を忘れよ。
45:11 そうすれば王は、あなたの美を慕おう。彼はあなたの夫であるから、彼の前にひれ伏せ。
45:12 ツロの娘は贈り物を携えて来、民のうちの富んだ者はあなたの好意を求めよう。
45:13 王の娘は奥にいて栄華を窮め、その衣には黄金が織り合わされている。
45:14 彼女は綾織物を着て、王の前に導かれ、彼女に付き添うおとめらもあなたのもとに連れて来られよう。
45:15 喜びと楽しみをもって彼らは導かれ、王の宮殿にはいって行く。
45:16 あなたの息子らがあなたの父祖に代わろう。あなたは彼らを全地の君主に任じよう。
45:17 わたしはあなたの名を代々にわたって覚えさせよう。それゆえ、国々の民は世々限りなく、あなたをほめたたえよう。

第46篇

指揮者のために。コラの子たちによる。アラモテに合わせて。歌
46:1 神はわれらの避け所、また力。苦しむとき、そこにある助け。
46:2 それゆえ、われらは恐れない。たとい、地は変わり山々が海のまなかに移ろうとも。
46:3 たとい、その水が立ち騒ぎ、あわだっても、その水かさが増して山々が揺れ動いても。セラ
46:4 川がある。その流れは、いと高き方の聖なる住まい、神の都を喜ばせる。
46:5 神はそのまなかにいまし、その都はゆるがない。神は夜明け前にこれを助けられる。
46:6 国々は立ち騒ぎ、諸方の王国は揺らいだ。神が御声を発せられると、地は溶けた。
46:7 万軍の主はわれらとともにおられる。ヤコブの神はわれらのとりでである。セラ
46:8 来て、主のみわざを見よ。主は地に荒廃をもたらされた。
46:9 主は地の果てまでも戦いをやめさせ、弓をへし折り、槍を断ち切り、戦車を火で焼かれた。
46:10 「やめよ。わたしこそ神であることを知れ。わたしは国々の間であがめられ、地の上であがめられる。」
46:11 万軍の主はわれらとともにおられる。ヤコブの神はわれらのとりでである。セラ

第47篇

指揮者のために。コラの子たちの賛歌
47:1 すべての国々の民よ。手をたたけ。喜びの声をあげて神に叫べ。
47:2 まことに、いと高き方主は、恐れられる方。全地の大いなる王。
47:3 国々の民を私たちのもとに、国民を私たちの足もとに従わせる。
47:4 主は、私たちのためにお選びになる。私たちの受け継ぐ地を。主の愛するヤコブの誉れを。セラ
47:5 神は喜びの叫びの中を、主は角笛の音の中を、上って行かれた。
47:6 神にほめ歌を歌え。ほめ歌を歌え。われらの王にほめ歌を歌え。ほめ歌を歌え。
47:7 まことに神は全地の王。巧みな歌でほめ歌を歌え。
47:8 神は国々を統べ治めておられる。神はその聖なる王座に着いておられる。
47:9 国々の民の尊き者たちは、アブラハムの神の民として集められた。
47:10 まことに、地の盾は神のもの。神は大いにあがめられる方。

第48篇

歌。コラの子たちの賛歌
48:1 主は大いなる方。大いにほめたたえらるべき方。その聖なる山、われらの神の都において。
48:2 高嶺の麗しさは、全地の喜び。北の端なるシオンの山は大王の都。
48:3 神は、その宮殿で、ご自身をやぐらとして示された。
48:4 見よ。王たちは相つどい、ともどもにそこを通り過ぎた。
48:5 彼らは、見るとたちまち驚き、おじ惑って急いで逃げた。
48:6 その場で恐怖が彼らを捕えた。産婦のような苦痛。
48:7 あなたは東風でタルシシュの船を打ち砕かれる。
48:8 私たちは、聞いたとおりを、そのまま見た。万軍の主の都、われらの神の都で。神は都を、とこしえに堅く建てられる。セラ
48:9 神よ。私たちは、あなたの宮の中で、あなたの恵みを思い巡らしました。
48:10 神よ。あなたの誉れはあなたの御名と同じく、地の果てにまで及んでいます。あなたの右の手は義に満ちています。
48:11 あなたのさばきがあるために、シオンの山が喜び、ユダの娘が楽しむようにしてください。
48:12 シオンを巡り、その回りを歩け。そのやぐらを数えよ。
48:13 その城壁に心を留めよ。その宮殿を巡り歩け。後の時代に語り伝えるために。
48:14 この方こそまさしく神。世々限りなくわれらの神であられる。神は私たちをとこしえに導かれる。

第49篇

指揮者のために。コラの子たちの賛歌
49:1 すべての国々の民よ。これを聞け。世界に住むすべての者よ。耳を傾けよ。
49:2 低い者も、尊い者も、富む者も、貧しい者も、ともどもに。
49:3 私の口は知恵を語り、私の心は英知を告げる。
49:4 私はたとえに耳を傾け、立琴に合わせて私のなぞを解き明かそう。
49:5 どうして私は、わざわいの日に、恐れなければならないのか。私を取り囲んで中傷する者の悪意を。
49:6 おのれの財産に信頼する者どもや、豊かな富を誇る者どもを。
49:7 人は自分の兄弟をも買い戻すことはできない。自分の身のしろ金を神に払うことはできない。
49:8 ――たましいの贖いしろは、高価であり、永久にあきらめなくてはならない。――
49:9 人はとこしえまでも生きながらえるであろうか。墓を見ないであろうか。
49:10 彼は見る。知恵のある者たちが死に、愚か者もまぬけ者もひとしく滅び、自分の財産を他人に残すのを。
49:11 彼らは、心の中で、彼らの家は永遠に続き、その住まいは代々にまで及ぶと思い、自分たちの土地に、自分たちの名をつける。
49:12 しかし人は、その栄華のうちにとどまれない。人は滅びうせる獣に等しい。
49:13 これが愚か者どもの道、彼らに従い、彼らの言うことを受け入れる者どもの道である。セラ
49:14 彼らは羊のようによみに定められ、死が彼らの羊飼いとなる。朝は、直ぐな者が彼らを支配する。彼らのかたちはなくなり、よみがその住む所となる。
49:15 しかし神は私のたましいをよみの手から買い戻される。神が私を受け入れてくださるからだ。セラ
49:16 恐れるな。人が富を得ても、その人の家の栄誉が増し加わっても。
49:17 人は、死ぬとき、何一つ持って行くことができず、その栄誉も彼に従って下っては行かないのだ。
49:18 彼が生きている間、自分を祝福できても、また、あなたが幸いな暮らしをしているために、人々があなたをほめたたえても。
49:19 あなたは、自分の先祖の世代に行き、彼らは決して光を見ないであろう。
49:20 人はその栄華の中にあっても、悟りがなければ、滅びうせる獣に等しい。

第50篇

アサフの賛歌
50:1 神の神、主は語り、地を呼び寄せられた。日の上る所から沈む所まで。
50:2 麗しさの窮み、シオンから、神は光を放たれた。
50:3 われらの神は来て、黙ってはおられない。御前には食い尽くす火があり、その回りには激しいあらしがある。
50:4 神はご自分の民をさばくため、上なる天と、地とを呼び寄せられる。
50:5 「わたしの聖徒たちをわたしのところに集めよ。いけにえにより、わたしの契約を結んだ者たちを。」
50:6 天は神の義を告げ知らせる。まことに神こそは審判者である。セラ
50:7 「聞け。わが民よ。わたしは語ろう。イスラエルよ。わたしはあなたを戒めよう。わたしは神、あなたの神である。
50:8 いけにえのことで、あなたを責めるのではない。あなたの全焼のいけにえは、いつも、わたしの前にある。
50:9 わたしは、あなたの家から、若い雄牛を取り上げはしない。あなたの囲いから、雄やぎをも。
50:10 森のすべての獣は、わたしのもの、千の丘の家畜らも。
50:11 わたしは、山の鳥も残らず知っている。野に群がるものもわたしのものだ。
50:12 わたしはたとい飢えても、あなたに告げない。世界とそれに満ちるものはわたしのものだから。
50:13 わたしが雄牛の肉を食べ、雄やぎの血を飲むだろうか。
50:14 感謝のいけにえを神にささげよ。あなたの誓いをいと高き方に果たせ。
50:15 苦難の日にはわたしを呼び求めよ。わたしはあなたを助け出そう。あなたはわたしをあがめよう。」
50:16 しかし、悪者に対して神は言われる。「何事か。おまえがわたしのおきてを語り、わたしの契約を口にのせるとは。
50:17 おまえは戒めを憎み、わたしのことばを自分のうしろに投げ捨てた。
50:18 おまえは盗人に会うと、これとくみし、姦通する者と親しくする。
50:19 おまえの口は悪を放ち、おまえの舌は欺きを仕組んでいる。
50:20 おまえは座して、おのれの兄弟の悪口を言い、おのれの母の子をそしる。
50:21 こういうことをおまえはしてきたが、わたしは黙っていた。わたしがおまえと等しい者だとおまえは、思っていたのだ。わたしはおまえを責める。おまえの目の前でこれを並べ立てる。
50:22 神を忘れる者よ。さあ、このことをよくわきまえよ。さもないと、わたしはおまえを引き裂き、救い出す者もいなくなろう。
50:23 感謝のいけにえをささげる人は、わたしをあがめよう。その道を正しくする人に、わたしは神の救いを見せよう。」